第3話
●プロローグ
白いマスターガンダムに呆然となる一同
一同「あれは………」
× × ×
ストーカー「皆さん、またまた驚きです!
なんとマントの下から現れたのは《白いマスターガンダム》ではありませんか!?
そしてその美しくも危険な輝き!
手に白い扇子を持ち、背中には九枚のファンネルプレートを携え、その名の通り狐を思わせる姿!
その名も《ガンダム・マスター独狐》!
共に敗けを知らぬは《不敗》に対して《求敗》………まるで東方不敗に挑戦するようなその名の持ち主が、何故ダーク・シャッフルに席を並べるのか?
しかもキング・オブ・ハートにして流派東方不敗の正当掌門とは?!」
ドモン「あ………ああああ………」
愕然となるドモン
ストーカー「どうやらドモン・カッシュには何か心あたりがあるようです………」
読者に微笑むストーカー
ストーカー「それでは本日もガンダムファイト!!
レディ〜〜〜・ゴー!!!!!!!!」
声高らかなストーカー
●闘技場
白いマスターガンダムに威圧されているドモン
ドモン「ま…間違いない………この白いマスターガンダムは………!!」
跪くゴッドガンダム
更に素早く独狐求敗に叩頭する
ドモン「流派末席のドモン・カッシュ、初めてお目にかかります!!」
独狐求敗「ふん、お前のような腕で、よくぞ流派一門を名乗れたものだ。見たところロクな修行もさせてはもらえなんだか?ならばそれはそれで可哀想な奴よ」
手にした白扇子でドモンの頭を突く独狐求敗
独狐求敗「ほれ、立ってみい」
ドモン「うっ!!」
立とうにも白扇子で軽く抑えられ、立ち上がれないドモン
ふらふらと膝が揺れる
ドモン「あ………足に力が定まらない」
独狐求敗「なんだ?どうした?立てないのか?なら、ほれ!!」
白扇子でドモンの顎を支え上げ、そのまま吊り上げる
独狐求敗「立てるではないか?だが腰が!胸が!膝に両脇!!」
次々に白扇子でドモンを打ち据えていく
独狐求敗「最後に丹田に気を集めれば!」
下腹の丹田を白扇子の先で刺突する
独狐求敗「これで良し!!」
見ると流派の《型》の形で構えているドモン
独狐求敗「まあ、少しは様になったかな?」
ドモン「!!」
辱めに耐えるドモン
東方不敗「ははは、相変わらず手厳しい、ワシも若い頃は随分手痛く叱られたもの」
苦笑いの東方不敗
東方不敗「ですが、確かに何も言い返せませんな」
独狐求敗「ふん………で?見れば当代のシャッフル同盟は一体何だ?」
他の闘技場を見渡す
それぞれ圧倒され苦戦しているシャッフルの面々
独狐求敗「少しの間、ギアナの墓で眠っていればこの体たらく」
各ダークに合図を送る独狐求敗
独狐求敗「ご苦労をかける、ダークの衆!ですがこれ以上は無駄な事、もしお手間でなければ一気に終わらすのも一興かと!!」
× × ×
〜各闘技場〜
マックスターにジャブを連発し、動きを封じている初代
初代「確かにそろそろ飽きてきたころだ!!」
チボデー「何ぃぃい!!!!」
クリンチで乗り出すマックスターを跳ね除け、構え直す初代
初代「そろそろ、おネムでもいいんじゃないか?!!」
拳にエネルギーを集中させる初代
更に肥大化していくガンダムゴングショーの拳
初代「グッバイ!!ボーイ!!」
巨大なストレートパンチがマックスターに激突
その威力をガードで受け止めるチボデー
チボデー「な、なんて威力だ!!!でも、なんとか受け止められる!!」
闘技場のギリギリまで押され下がるマックスター
初代「はは!それで終わりと思うなよ!!本当のパンチはここからだ!」
チボデー「何?!!」
瞬間、初代のガンダムの背後から無数のパンチが飛び来る
初代「俺のパンチはお前の動きを止めるためのもの!!」
チボデー「何だと?!!」
驚くチボデー
そのパンチ群と共に、同じ数だけのボクサーが見える
チボデー「こ、こいつらは?!」
それらの拳の主は、
《2代目地下チャンピオン》
を筆頭に他、歴代地下チャンピオンたちが初代の背後に立ち、四方八方からパンチを繰り出してくる
チボデー「こいつらは2代目!5代目!!7代!10代!!15代!!まだまだいるのか?!」
無数のチャンピオンたちのパンチにボコボコにされるチボデーのマックスター
チボデー「オー・マイ・ガァァアアアア………………」
膝から崩れ落ちるチボデー
バニー「卑怯〜〜〜!!」
シャリー「何が正々堂々よ!!」
初代「悪いがこれが俺の必殺技でね!!」
バニーたちの非難に悪びれない初代
初代「でもな、ダーク・ダイヤの技よりマシってもんだぜ?!」
ジャネット「え??」
初代に示されジョルジュの闘技場を見る一同
× × ×
剣を高らかに叫ぶダーク・ダイヤのJD
すると鏡の装甲の中から無数の兵士ガンダムが現れローズへと向かってくる
ジョルジュ「なんだこいつらは?!幻影じゃなく本物か?!」
その兵士ガンダムの姿は名も無い騎士のものである
JD「いかがでしょう?!私を騎士の頂点と慕って、あの世から駆けつけてくれた我が兵士たちの力は?!」
ジョルジュ「おのれぇえええええ!!!!!!」
兵士ガンダムたちの特攻に埋もれていくガンダムローズ
× × ×
ガンダムリアルカンフーに対して棒術で立ち向かうドラゴンガンダム
その凄まじい速さでリアルカンフーを打ち据えていくが、その威力を掌の動きでかわしつつ、エネルギーへと変換させ取り込むリアルカンフー
サイ・サイシー「オイラのエネルギーをどうするつもりだ?!」
創始「いやいや、返して欲しくば、これこの通り!!」
両手の指でエネルギーを弾き、弾丸としてドラゴンガンダムに打ち込むリアルカンフー
サイ・サイシー「うぁぁぁあ!!」
ドラゴンガンダムの関節など要所要所に打ち込まれるエネルギー弾
その威力がシンクロして、コクピットのサイ・サイシーにも打ちこまれる
サイ・サイシー「あぁ?!か、体が動かない?!」
その様子に気づく瑞山&恵雲
瑞山「あれはまさか?!」
恵雲「今では失われた技と聞く」
瑞山&恵雲「点穴か?!」
驚愕する二人
創始「おや?点穴をご存知とは!さすがは老師の方々、見識が深い!」
瑞山「まさか、この目でその技を見る事ができようとは」
恵雲「同じ拳法家のはしくれとして、誠に恐悦至極!」
抱拳で創始に礼をする二人
サイ・サイシー「って、何仲良くしてんだよ〜〜〜!!第一、点穴ってなんだよ!!」
動く事ができず焦るサイ・サイシー
創始「それはワシが教えてやろう」
ドラゴンガンダムの急所を打つリアルカンフーの指突
サイ・サイシー「え?」
ドラゴンガンダムのコクピットが勝手に開き、リアルカンフーから飛び出してきた創始が中に乗り込んでくる
創始「ふふ…点穴とはな、相手の全身の特定の経穴を突き、そこへ自分の気の力を流し込む事で、相手の気脈を乱し、その体の自由を奪ったりするものじゃ」
人体に流れる《気》のイメージ
外部からその気を打ち突くと、衝撃のイメージが部分や全身に広がり、自由に動いていた体がその動きを止めていく
創始「他にも毒の回りを遅らせるなど様々な効果があるが、さすがにガンダムにまで効果があるとは思わなんだがな………」
サイ・サイシーの体を直接点穴する創始
同時に土下座のポーズへと変わってしまうドラゴンガンダム
サイ・サイシー「え?!体が勝手に土下座を???」
創始「ささ、素直にこう言えば自由にしてやるぞ、そう、《私は未熟者につき、シャッフルの称号はお返しいたします》とな、あと《お願いします創始様》だぞ」
サイ・サイシー「そ、そんな事………言えるか………よ………」
全身の痺れに抗うサイ・サイシー
× × ×
そのサイ・サイシーに声をかけるアルゴ
アルゴ「それでいいぞ、サイ・サイシー!こんな奴らに屈するな!!」
再生を繰り返すダーク・ジョーカーガンダムを次々に殴るアルゴ
サイ・サイシー「そ……そんな事言って………オッサンの方がやばくない?!」
ダーク・ジョーカーガンダムに包まれていくボルトガンダムを苦しげに見るサイ・サイシー
アルゴ「うるさい!!!!」
ダーク・ジョーカーガンダムに完全に飲み込まれてしまうアルゴ
同時にカモフラージュが解けると、その正体が見える
ダーク・ジョーカーガンダムの正体は《ガンダムマトリョーシュカ》である
そのボディの中からボルトガンダムのパンチが飛び出し、崩れるガンダムマトリョーシュカ
だが、すぐさま再生し、ボルトガンダムをその体内に包み入れてしまう
アルゴ「ええい!!キリがない!!」
破壊と再生を繰り返すマトリョーシュカ
その様子に痺れを切らすナスターシャ
ナスターシャ「本体だ!!本体を叩け!!アルゴ!!!」
アルゴ「それが、どこにもいない!!」
焦るアルゴ
ナスターシャ「そんな訳はない!!よく見ろ!!」
アルゴ「だが、右にも左にも地下にも………まさか!?」
ふと気づくアルゴ、レーダーの索敵範囲を広める
コクピットスクリーンに反応が灯る
アルゴ「やはり!!」
遥か上空を見るアルゴ
アルゴ「あれはドミトリィ!《ドミトリィ・オブローモフ》!!」
宇宙空間に浮かぶ宇宙服を着た人影
ダーク・ジョーカー《ドミトリィ・オブローモフ》である
ドミトリィ「………………」
シャリー「世界初のコロニー移住者………」
キャス「私たちネオアメリカに先立って宇宙にコロニーを作り上げた人………」
ジャネット「そして、そのままコロニーに住み、人類のコロニー移住を可能と証明した人!!」
バニー「悔しいし残念だけど、尊敬に値する歴史上の人物!!」
ギャルズ「まさか、そんな人がシャッフルだったなんて………」
臆するギャルズたち
ナスターシャ「いや!我が国の英雄ならばその資格と実力はある!!」
少し嬉しいナスターシャ
ナスターシャ「だが宇宙からガンダムを動かせるとは!!」
唖然と怒りのナスターシャ
ドミトリィ「さあ、行こう!!」
次の攻撃の指示を出すドミトリィ
ボルトガンダムを包むガンダムマトリョーシュカが爆発を起こす
その爆発の中で耐えるボルトガンダム
アルゴ「ええい!!自爆と再生を繰り返すとは!!さすがにこのままではボルトガンダムのボディが保たないぞ!」
その言葉と共にマトリョーシュカに包まれていくボルトガンダム
ナスターシャ「………あれでは攻撃が届かないぞ!!」
× × ×
ウォン「こ、これはますます持ってマズイじゃないか?!昨夜の話じゃ、ちょっとシャッフルの尻を叩くだけじゃなかったのか??」
焦り上空のコーナーポストを見る
ウォン「じゃ………あのコーナー落としは本当に???」
青くなるウォン
× × ×
シャッフルの戦いを見ている一同
レイン「ダーク・シャッフル………なんて相手たちなの………独狐求敗だけでなく、全員が歴代最強のシャッフルなのね!!」
愕然となっているレイン、ふと気づく
レイン「でも、みんな………誰も諦めてない………」
シャッフルのクルーたちを見るレイン
一同それぞれの戦いを力強く見つめているクルーたち
レイン「どうして………??」
不思議に見るレイン
そこへ、他のファイターたちがガンダムから降りてシャッフルクルーに詰め寄ってくる
シジーマ「おい!どうなってんだ!!一向に勝てる気配なんかないじゃないか!!」
ルドガー「見ろ!!コーナーポストは大気圏を超え始めたぞ!!」
ネオホンコン上空
大気圏から雲海を分けつつ落ちてくるコーナーポスト
エリック「このままじゃネオホンコンは壊滅だ」
カルロス「シャッフル同盟って名前ばかりかよ!!」
シジーマ「せめてこのバリアをなんとかしろよ!そしたら俺たちがあんなダーク連中潰してやるからよ!」
責め立てるシジーマたち
ナスターシャ「うるさい!!外野は黙って見ていろ!!」
ナスターシャがバニーたちの盾になるように対峙する
シジーマ「そんな事言って、あの分の悪い戦いを見て安心なんかできるかって!!」
ナスターシャ「はん!弱気な奴らだ!せめてあそこのネオイタリアたちのようにじっとしてられないのか?!」
ネロスガンダムの手の上のミケロを指し示すナスターシャ
ミケロ「はは!俺っちはよぉ、いざとなったら東方の旦那って大船に乗っかるだけさ!ねぇ、旦那!!」
東方不敗に呼びかける余裕のミケロ
東方不敗「………ふん………」
相手にしない東方不敗の態度に
ミケロ「ぎくり………じゃ、じゃぁチャップマンに頼っちゃおうかな〜〜〜??」
チャップマンに擦り寄るミケロ
チャップマン「!」
黙ったまま自分のガンダム・コクピットに戻るチャップマン
ミケロ「あら〜〜〜じゃ、俺も自力の脱出準備だ!」
肩を落として、急ぎガンダムへ戻るミケロ
シジーマ「ケッ!どいつもこいつも頼りにならねぇな!」
悪態をつくシジーマ
その後ろから音も無く近づき、首に腕をかけるシュバルツ
シュバルツ「だったら、ここは大人しくしているのがいいと思うがな」
その手にはクナイが握られている
シジーマ「あ………ああ………そうさせてもらうよ………みんな行こうぜ」
エリックたち「そうするか………」
ビビりながらガンダムへと戻るシジーマたち
ナスターシャ「助かった、シュバルツ」
シュバルツ「いや………だが、この先シャッフルのバトル状況では抑えきれなくなる」
ナスターシャ「確かに危ない………」
レイン「それじゃあ、このまま私たちは何もできないの………??」
困惑するレイン
シャリー「ううん………実はね、奥の手っていうのがあるわ」
レイン「奥の手??」
シャリー「ええ………私たちのマックスターはね、決勝大会用に新しいギミックを搭載したの」
瑞山&恵雲「ワシらのドラゴンガンダムもじゃ」
レイモンド「右に同じく」
ナスターシャ「勿論我がボルトガンダムにもな」
次々に明かすクルーたち
レイン「じゃ、それを使えば」
ナスターシャ「戦えば勝つ!必ず!!」
瑞山&恵雲「それほど強力なものじゃ!」
自信満々の一同
レイモンド「ですが〜〜〜」
シャリー「みんなまだ、そのパイロット・システムを組み込めていないの………」
レイン「それって?」
ナスターシャ「ガンダムへのギミックの搭載は済んでいる………だが、その操縦回路をオープンにしていないのだ」
瑞山&恵雲「時間がなかったので、開会式が終わってからに………とな」
レイモンド「やはり同じく………まさか、屋台での乾杯が命取りになるとは………」
申し訳なさげな瑞山&恵雲とレイモンド
レイン「でもシステムを起動させるだけなら、リモートコントロールでも」
ナスターシャ「それが無理なのだ」
レイン「どうして?」
ナスターシャ「このバリアだ」
シャリー「どうやら私たちの声は拡声されて、チボデーたちに届くみたいだけど、メカニック的なデータ通信は遮断されてるの」
レイン「そんな………」
悔しげな一同
レイン「何か方法はないかしら………」
ナスターシャ「せめて、小さくていい、バリアに穴が開けば」
シャリー「その隙間から起動プロトコルを送れるのに………」
悔しげにバリアを見る一同
堅牢に輝くバリア
その様子を見つめて思案するシュバルツ
シュバルツ「バリアの破壌………か」
東方不敗「ふん………シュバルツよ、ワシの知るところお前なら方法があるのではないか?」
シュバルツ「どういう意味だ?東方不敗!」
東方不敗「それをここで言っていいのか?」
シュバルツ「何??」
不敵な笑みを浮かべて、一人バリアへ向かう東方不敗
バリアに包まれながら外へと歩み出る
バニー「あぁ〜〜〜一人だけずるい!」
シャリー「しかたないわ、あの人は元キング・オブ・ハートよ」
キャス「だったらバリアを通過できるわ」
東方不敗「ふふ………引退したとはいえ、ワシもまたシャッフルの一人という事だ」
バニー「じゃ、死んでもダークになって返ってくるの??」
東方不敗「かもしれんぞ?」
苦笑いでバリアの外へ出る東方不敗
バニー「私、エクソシストの勉強する!!」
シャリー「バカね」
バニーを叱るシャリー
× × ×
東方不敗「ふふ………」
ドモンの闘技場へと進む東方不敗
独狐求敗「うん?」
ドモン「し、師匠??」
東方不敗に気づく二人
東方不敗「ふん、また師匠よばわりか?」
皮肉る東方不敗
東方不敗「まぁ良い、だがせっかく流派同門が揃ったのだ!来い!マスターガンダム!!」
バリアを越えて来るマスターガンダムに乗り込む東方不敗
東方不敗「姉弟子!!まずは一手、手合わせを!!」
独狐求敗「面白い!!」
対峙し構える独狐求敗の白いマスターガンダム
独狐求敗「ならば我が身の九尾のファンネル!!」
背後の九枚のファンネルプレートが開き、一斉に飛び散る
その一枚一枚が東方不敗のマスターガンダムの行手にエネルギー弾を撃ち込んでいく
その弾丸をウィングで打ち弾く不敗のマスターガンダム
東方不敗「走れ!ビームクロス!!」
両手から布状のビームクロスを発射し、陣形を作る東方不敗
飛び来る九尾のファンネルがビームクロスに行手を防がれ、離れ散り飛び、遠くからのビーム攻撃を余儀なくされる
東方不敗「立ち上がれ!十二王方牌!」
両手を差し出し、指を立てる東方不敗
その動きに合わせてクロスの陣形から、マスターガンダムの分身たちが立ち上がる
東方不敗「大地は無限!!行手は天空!!」
東方不敗が手にした盃が叩きつけられ割れ弾ける
それと同時に分身たちがファンネルに襲い掛かり、次々にファンネルはバランスを失い制御不能に飛び回る
独狐求敗「なるほど!大車併をそう使うのか!」
笑いあげる独狐求敗
独狐求敗「ならばこちらは笑紅塵の新手を見せよう!!」
両手を合わせる独狐求敗
その掌の間に太極球が出来上がり、その回転と共にマスターガンダムの分身が吸い込まれていく
その球の中で一つのエネルギーの塊に戻る分身たち
独狐求敗「広がれ!八方陣!!」
掛け声と共に分身が一つになったエネルギー弾が空間を歪めつつ、東方不敗に向かって襲い掛かる
東方不敗「笑止千万!!!」
正拳突きでエネルギーを受ける東方不敗
東方不敗「むぅぅぅぅぅぅぅううんんんんんんんん!!!!!!!!!」
押されつつも、拳に力を入れる
拮抗するエネルギーと不敗の拳
東方不敗「破!!」
一喝と共にエネルギー弾を弾き飛ばす
東方不敗「爆発!!」
海上を走るエネルギーが、島に着弾し大爆発を起こす
× × ×
跡形も無く吹っ飛ぶ島
その様子を唖然と見ているバリアの中の一同
シジーマ「な……なんだありゃぁ??」
エリック「おい………俺たちゃあんなのと戦うのか??」
ルドガー「ネオギリシャのでかい旦那!あんたはあれに耐えられるか??」
マーキロット「な……なんとかな………」
明らかに強がるマーキロット
× × ×
引き続き撃ち合う東方不敗と独狐求敗
独狐求敗「あいも変わらぬ力技!」
東方不敗「次は西の17手で!!」
独狐求敗「ならば北の235で返せばどう出る!!」
東方不敗「受けて流すは山の7!!」
独狐求敗「それを北北西で打ち返し!!」
東方不敗「当たるを前に南南東の765!!!」
独狐求敗「さすれば128の左で蹴り上げ!!!」
東方不敗「右の北西微北で先手を封じ!」
独狐求敗「北西北東で受け手を変化!」
東方不敗「続くは8足地に駆ける!!」
独狐求敗「先を返すは中央千手!!」
東方不敗「撃つ!!」
独狐求敗「撃て!!」
東方不敗「撃てば!!」
独狐求敗「撃つ時!!」
東方不敗&独狐求敗「撃て撃て撃て撃て!!」
次々と流派の絶技を繰り出し合う二人
東方不敗「流派東方不敗は!!」
独狐求敗「王者の風よぉ!!!」
東方不敗「全新系裂」
独狐求敗「天破侠乱」
無数の拳を撃ち合う二人
二人「見よ!東方は赤く燃えているぅぅうううううう!!!!!!!!!」
拳を合わせる2機のマスターガンダム
東方不敗「!!!!!!!」
独狐求敗「!!!!!!!」
睨み合う二人
× × ×
その二人の戦いを唖然呆然と見ているクルーたちとドモン
ドモン「こ………これが同門の真の戦い………」
クルーたち「すごい………さすがは達人同士!」
シュバルツ「いいものを見せてもらった………」
感心しつつふと気づき見るシュバルツ
両者のガンダムの拳が再生を繰り返している
シュバルツ「拳の再生………」
次第に確信するシュバルツ
シュバルツ「もしかすると………」
× × ×
東方不敗「ふん………シュバルツめ、気づきおったか………」
シュバルツの気配に頷き、視線を送る東方不敗
その隙を突かれ、独狐求敗に拳を弾かれる
独狐求敗「ふふ、どうした弟よ、最後に気が逸れるとは『らしく』ないな」
東方不敗「いえいえ、さすがは姉弟子の目からは逃げられませんな」
独狐求敗「だが、お前も腕を上げたな」
東方不敗「そこそこには………」
苦笑いの東方不敗に優しく微笑む独狐求敗
共にコクピットから出て来る
東方不敗「ドモン!お前もここへ来て、改めてご挨拶をせんか!」
ドモン「はい!!」
東方不敗に呼ばれ、コクピットから出るドモン
二人の前に膝を突き叩頭する
ドモン「末席ドモン・カッシュ、改めてご挨拶申し上げ………」
言葉の途中でふと気づくドモン
独狐求敗には右腕が無く、隻腕の剣士なのであった
独狐求敗「これか?ふふ、私とした事が弟弟子に喰らわされたわ」
苦笑いの独狐求敗
ドモン「え?ですが先ほど師匠は《唯一勝ちを得なかったお方》と」
東方不敗「バカもの、勝てなかったのではない、あえて《勝たなかった》のだ」
ドモン「はあ??」
意味が良くわからないドモン
独狐求敗「ふふ、ものは言いようだ」
苦笑いでため息をつき、腕の無い右肩に手を当て見る独狐求敗
独狐求敗「とはいえ、あの頃の事はこの失った腕に刻まれたままよ」
東方不敗「では今回の事、ダークのお役目などは二の次で………本当の目的は………やはり………」
独狐求敗「ああ………察する通り、全て《私怨》よ」
冷たく微笑む独狐求敗
続く……