ギアナ高地編その2
× × ×
街の方々に現れている東方不敗の幽霊
だが、奥義の型を演じつつ、同じく次々に消えてしまう
× × ×
その様子を唖然と見ているジュニア
ジュニア「父上!!」
思わず東方不敗の姿を追うように街へと駆け降りる
ジュニア「父上ぇぇえええええ!!!!!!!!!」
その後姿をこっそりと見ているエイチ
エイチ「………!!………」
× × ×
ドヤ街を駆け抜けるジュニア
ジュニア「父上!!父上〜〜〜!!!!」
目の前で奥義を演舞している東方不敗の幽霊
その幽霊に向かって手を伸ばすジュニア
ジュニア「父上!!」
しかし、その姿は正に幽霊のように消えていく
ジュニア「ち………父上………置いて………行かないでよ………」
涙を流し、東方不敗が消えた後に縋り付くジュニア
× × ×
ジュニアの様子を影から見ているエイチ
エイチ「………………」
その時、街全体の明かりが消える
エイチ「………また停電か………どないなっとんねん??」
その闇に紛れてエイチに合図する影が来る
エイチ「!!」
影に気づき、裏道へ入り何やら密談するエイチ
エイチ「………………」
影「………………」
しばらくの後、確認し合う二人
影「情報は以上だ」
エイチ「ごくろうさん………ほな、後はウチがカラトのおっちゃんに伝えとくわ」
別れる二人
街灯の灯りで影の男の正体が見える
男はシジーマである
エイチ「さてと、ほんならどこぞの通信機でCDGCに………」
周囲をうかがい通信機を探すエイチ
その時、突然腕を掴まれる
エイチ「!!」
見るとジュニアが自分の腕を掴んでいる
ジュニア「どういう事だ………今のはシジーマだな………それにカラトっていうのは確か」
エイチ「さあ?誰やろ〜〜〜??」
ふざけて知らんぷりをしようとするエイチ
ジュニア「………」
エイチを真剣に見つめるジュニア
その眼差しに降参するエイチ
エイチ「わかったわかった〜〜〜ギブアップや、ホンマの事言うたらええねんやろ?」
開き直るエイチ
エイチ「ウチはな、CDGC長官のカラトのおっちゃんに頼まれたスパイやねん」
ジュニア「お前がスパイ?」
エイチ「アルバイトやアルバイト!ウチかてお小遣い欲しいし、シュピーゲルの維持費も大変やねんで、それであんたとギアナの状況をちょっとな…あ、ウチがアホの娘やちゅうのんはホンマやで?」
苦笑いで白状するエイチ
ジュニア「じゃ、あのシジーマもか?」
エイチ「せや仲間や………こないだのファイトの時はウチらを庇ってくれたんや………って、ちょっと待ち、あれ見てみい、あれ!」
ジュニア「………」
無視してエイチから目を離さないジュニア
エイチ「も〜〜〜!!逃げたりせえへんから、ほら見ぃ!ボケとウォンや!!」
ジュニア「え?!」
驚き見ると、ウォンとドモンがVIP区域へと入っていく
エイチ「行くで!!あんたもスパイの手伝いや!!」
ジュニア「おい待てよ!まだ話は終わってないんだぞ!!」
エイチ「どんくさい事言いな!そんなん道々聞く!遅い事は亀でもするで!!」
ジュニアを引っ張って行くエイチ
●地下へ
ドモン「………………」
ウォン「………………」
黙ったままエレベーターで降りて行く二人
それを追いかけ、発掘現場の構造物を伝って下るジュニアとエイチ
エイチ「見失ったらあかんで………」
開けた採掘現場に出る二人
エイチ「うわぁ〜〜〜」
見るとフラフラに疲労したハンターたちが手作業で採掘している
ジュニア「なんだここは?」
エイチ「うん………多分ミケロの言うてた地獄やわ………ほら」
作業しているハンターを示すエイチ
ジュニア「あいつは………ウォンを襲ったハンターだ」
エイチ「ここって、きっと鉱脈の本命で大物が採れるんや………けど、大型のDGダストはあんまりにもヤバいもんや………見い」
ハンターを示すエイチ
DGダストに侵食されるハンターの体
エイチ「迂闊に掘るとあのザマや………中にはエネルギーたっぷりのもあるんやな」
ジュニア「だからいなくなって当然のハンターたちをここへ入れて………」
困惑するジュニア
エイチ「けど気になるな………」
鉱脈を懐疑的に見るエイチ
エイチ「ギアナのDGダスト鉱脈はもう尽きる頃って言うとったけど………まだまだ大丈夫そうやで………」
ジュニア「それって??」
エイチ「あ………いや、何でも無い何でも無い」
ジュニアの問いかけに少し焦って答えるエイチ
エイチ「とにかく行こ」
ウォンとドモンの後を追おうとするエイチ
× × ×
エレベーターから離れて後を追う二人
ジュニア「それより、さっきのCDGCの続きはどうなった?」
エイチ「わかってるて………実はな、カラトのおっちゃんホンマはこのギアナを潰したいねん」
ジュニア「なんだって!?」
エイチ「何せ生きてたウォンを封じ込めるには、このギアナを治めさせるのが一番や………けど、最近DGダストの埋蔵量が減ってきたみたいでな、ウォンのお役目を御免にしてもええんちゃうか?って事になってきてん」
ジュニアを見るエイチ
エイチ「でな、問題はそのタイミングや………ホンマにギアナのDGダストが無くなったかどうかをちゃんと知る必要がある。シジーマらはそれを調べてるんや」
ジュニア「で、もしDGダストが無くなってたら………?」
エイチ「ウォンとはさよならや」
首を一文字に切り示すエイチ
ジュニア「えげつな………」
エイチ「あんた、またウチの訛りうつってんで」
ジュニア「〜〜〜」
思わず口を塞ぐジュニア
エイチ「ま、ええわ、それよりな、そんな時に問題が起きた………」
ジュニアに迫るエイチ
ジュニア「分かった………ドモン・カッシュが現れてウォンのガードについた」
エイチ「せや、うちのスットコ親父と違ごて、ウォンはちょっとは頭ある………何か悪巧みを考えてるに違いない」
ジュニア「あぁ………」
エイチ「そこでウチがギアナに入って、クルクルドモンの様子を見に来たっちゅうわけや」
エイチ「で、いざとなったらあんたと二人で実家親父をくいとめるんや」
ジュニア「勝手だな〜〜〜」
エイチ「けどこうなったらあんたもカラトのおっちゃんについた方がええで、何せヘタ打ったら東方不敗の珠も一緒にドカンや!」
ジュニア「そんな!あれは俺の珠だぞ!!」
エイチ「わかってるて、せやからあんたはウチと一緒におるんが一番やねん!そんでほげほげ親父より先に珠を手に入れて、見せびらかしていたぶったんねん!」
ジュニア「全くなんて親子だよ〜〜〜」
呆れるジュニア
エイチ「それよりあんた、帰り道は覚えてるやろな?ここから上に出られへんなんて、まっぴらやで」
ジュニア「大丈夫!バッチリ!!」
と、言った瞬間足を滑らせるジュニア
ジュニア「うわっ!!」
エイチ「あほぉ!!!」
ジュニアに手を伸ばすが、一緒に落ちてしまうエイチ
二人「ぉぉぉぉぉ………………………」
二人の声が暗闇の底へ響き消えていく
●夢
暗闇の中
満開の花が広がる空間
その中で東方不敗が一人で演舞を舞っている
その姿は幾つもの分身のように、一度に何人もの姿に見える
ジュニア「………」
その気配に、朧げに意識を戻し始めるジュニア
ジュニア「………父…上………??」
更に意識を戻し、体を起こすジュニア
ジュニア「また……夢………??」
周囲を見渡すジュニア
ジュニア「でも………??」
やがて幾つもの演舞が中央へと集まりだし、
一人の姿へと重なる演舞
同時に東方不敗の声が聞こえる
東方不敗「息子よ………いつの日か、ここへ帰ってくるかもしれない………そして、忘れるな………輝珠掌上………」
ジュニア「父上!!」
消えていく東方不敗の姿に意識を取り戻すジュニア
ジュニア「あ………」
地下の空洞の中のジュニア
その中央には一つの碑が立っていて
《流派東方不敗発祥終焉之地》
と掘られている
その碑に歩み寄るジュニア
ジュニア「これは………それに………」
周囲を見渡すと、壁一面に様々な演舞の型が掘られている
ジュニア「これって流派の………もしかしてここが夢の………??」
ジュニアの瞳に懐かしさを感じた涙がにじむ
ジュニア「父上と別れた………」
碑に縋りつくジュニア
そこへ足音が聞こえてくる
ジュニア「!!」
思わず壁の陰に隠れるジュニア
次第に近づく足音に様子をうかがう
ジュニア「………………」
やがて空洞の中央で立ち止まる二人の足音
その正体を見ようとするジュニア
ジュニア「!!」
碑の前に立っているのはウォンとドモンである
ジュニアM「あいつら………ここに何しに?!」
驚きと怒りに溢れるジュニア
だが、二人はジュニアが見ているとも知らずに碑の前に立ち止まる
ウォン「さて………君もそろそろ珠の秘密を話してくれてもいいのでは?」
ドモン「珠の秘密?そんなものはない!」
キッパリと断るように言い放つドモン
ウォン「いいや、噂は聞いていますよ………カッシュ博士はDG事件以前からの病が進行した………そして治療のために再び眠りにつく前に君に何かを言い残した………」
× × ×
病床でカッシュから何かを聞くドモン
ドモン「!!!」
カッシュの手を握るドモン
× × ×
ウォン「そこで君は何かを誓ったとか??」
ドモン「俺は知らん!!」
ウォン「おやおや、ではさっきの東方先生の幽霊騒ぎは何だったのでしょう?私も見ましたが、あれは確かに流派の演舞………」
ドモン「いい加減にしろ!!俺がお前に手を出さないのは」
ウォン「全てはこの大事な珠の秘密のため」
ドモンの言葉を遮るウォン
そのDG細胞に冒された右顔面が開き、義眼の部分が露出する
義眼は《東方の珠》である
ジュニア「あんなところに東方の珠が!」
今にも飛び出そうとするジュニア
ウォン「動くんじゃない!!」
ジュニア「!!」
一瞬自分に言われたと思い、動きを止めるジュニア
ウォン「今なら私に飛びかかり珠を取り返せる!そう考えたね?」
ドモン「くっ!!」
今にも飛びかかり珠を奪おうと構えていたドモン
ウォン「いやいや、下手な事は考えないほうがいい、なぜなら君が珠を触ろうともすれば、その場でドカン!だ、そうすれば珠は永遠に失われる………」
珠の周りの爆破装置が輝く
ドモン「!!!」
悔しさを滲ませるドモン
ジュニア「!!!」
隠れているジュニアも同じく拳を握り悔しがる
ウォン「そうそう、大人しくしなきゃね、褒美にもう一度見せてあげよう」
顔面の装置を操作するウォン
珠がプロジェクターのレンズのようになり、珠の中身を映し出す
新一派
東方不敗王者之風
全新招式石破天驚
看招
血染東方一片紅
映し出されたのは流派の符号である
ドモン「!!!」
唖然と見つめるドモン
ドモン「………まいったな………」
納得したようにため息をつくドモン
ウォン「どうした?間違いないだろう?」
再び顔面に珠を格納するウォン
ウォン「全く便利な体だよ………君の馬に蹴られたのは幸いだったかな?」
ニヤつきドモンを皮肉る
ドモン「ふん!!確実にトドメを刺しておけば………」
ウォン「いやいや、あの時の君は私なんて歯牙にもかけなかった………お陰で私は生き残る事ができ、このギアナで偶然この流派の墓を見つける事ができた」
碑を撫で、窪みを指し示すウォン
ウォン「………そして珠はこの碑の上に………」
ドモン「!!!」
ドモンの怒りが今にも爆発しそうになる
ウォン「だから安心したまえよ〜〜〜」
ドモンを抑えるウォン
ウォン「私はね、流派の奥義なんて興味はないんだ、欲しいのは権力、だって政治屋だからね」
ドモン「なら返せ!今すぐ返せ!俺に返せ!!」
ウォン「本当に君のものだったらね!」
押し迫るドモンを逆に押し返すウォン
ドモン「ぅぅ………」
ドモンはウォンの言葉を押し切れなくなってしまう
ウォン「考えてみたら君は流派・東方不敗の掌門の座は受け取っていない………だが石破天驚拳まで会得している君には、流派の奥義を示す《東方の珠》は無用の長物、だろ?」
ドモン「ふ……ふん………」
ウォン「それがどうして、珠を欲しがる!?」
ドモン「それは」
ウォン「まだ何か秘密がある!」
ドモン「うっ………」
ウォン「しらばっくれても無駄だよ」
ドモンを追い詰めていくウォン
ウォン「実はね、東方先生から聞いているんだよ、私はね」
ドモン「え?」
ウォン「そうだよ、ランタオ島決戦を前に先生はこうおっしゃった」
× × ×
〜回想〜
東方不敗「たとえワシが破れようとも、我が息子が代わりとなって、東方の珠を輝かせるはず!」
希望と決意で語る東方不敗
東方不敗「そしてデビルガンダムを礎にした、新しい世界が開けるのだ!!」
× × ×
ジュニア「俺が父上の代わり?!新しい世界?!」
隠れて驚くジュニア
ウォン「ふふ!!私は考えた!おそらくその珠の中にこそ、アルティメット三大理論を超える、第四となる最強の力があるのだと!!そして、それを解放できるのが先生の息子、マスター・ジュニアだけなのだ!!」
ドモン「!!!」
ドモンに一気に迫るウォン
ウォン「私は見ていたぞ!この数日、君の様子が変なのを!!いつも誰かを探しているんじゃないのか?そう、マスター・ジュニアはすでにギアナに入っている!!東方の珠を探しにね!!」
ドモン「し、知らない!!俺は何も知らない!!!ジュニアも娘も見ていない……!!」
言いかけて、口を滑らしてしまった事に気づくドモン
ウォン「娘もだって?!はは!!口を滑らせたな!!確かに新宿から二人が一緒だという報告は受けた!でもどうして君がそれを知ってるんだ!!」
声「アホやからや!!」
突然割って入る声に驚く一同
ドモン「!!」
ウォン「!!」
ジュニア「!!」
見ると、つい乗り出してしまったエイチがいる
エイチ「しもた!!」
そのエイチの登場に苦笑するウォン
ウォン「くっくっくっ………いやぁこれはいい!娘さんは父親と違って正直者だ!!」
ジュニア「エイチもここに?!でもこれは最悪だぞ?!」
エイチに驚きつつも、声を殺し隠れているジュニア
ドモン「エイチ………」
唖然としたままで言葉が出ないドモン
予期せぬ再会に、逆に緊張して動けないエイチ
エイチ「く…来るな………!あっちいけ!!」
エイチを保護しようと近づくドモン
ドモン「どうしてこんな所へ!?」
エイチ「ウチの勝手や!!」
ドモン「ジュニアはどこだ?!お前、一緒だったんだろ??変な事なかっただろうな?!なあ!?」
エイチ「変な事??久しぶりに顔見て言う事がそれか?!」
ドモン「う、うるさい!親に向かって!!」
エイチを捕まえようとするドモン
その瞬間、割って入るジュニア
エイチを奪い離れる
ジュニア「やめろ!!嫌がってるだろ!!」
エイチの盾になるジュニア
驚くドモン
ドモン「お前もいたのか?!ジュニア!!」
ジュニア「いたら悪いか!!よくも俺をあんな寺に閉じ込めやがったな!!」
ドモン「それは!!」
ジュニア「うるさい!!エイチに触るな!!」
エイチを庇いつつその場から逃げようとするジュニア
ウォン「待ちたまえ!!」
混迷するドモンたち一同を止めるウォンの一声
一同「!?!」
ウォン「せっかく東方の珠を中心に一堂に会したんだ、このまま解散じゃ又手間がかかる、ならちょっとだけ私に時間をくれないか??」
誠実そうなふりで割って入るウォン
ジュニア「うるさい!!東方の珠は後で必ず!!」
ウォン「まぁまぁ、せめてこれを見てからにしないか??」
顔面に仕込まれたスイッチを入れるウォン
一同「?!」
瞬間、洞窟の壁が開き、その後に隠されたあるものが全貌を現す
《デビルガンダム》最終形態である
一同「あぁ!!!」
ドモン「ウォン!!貴様いつの間に!!」
愕然となるドモンたち
ウォン「驚くのはまだ早い!よく見たまえ!」
ウォンの合図でコクピットハッチを開くデビルガンダム
そこに入っている生体ユニット
DGコピー体《東方不敗》である
ジュニア「ち…父上ぇぇぇえええええええ!!!!!!!!!!!」
咆哮し、愕然となり身動きがとれないジュニア
今度は逆にエイチに抑えられる
エイチ「あかん!!あいつに乗せられたらあかんで!!」
ドモン「貴様ぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!」
怒るドモン、ウォンに詰め寄る
ドモン「あれは何だ?!師匠は生きてるのか?!師匠を使って何をするつもりだ!!答えろウォン!!!!」
ウォン「まあまぁ〜〜おちついておちついて、彼はまだ再生中でしてね」
ジュニア「再生中?!」
ウォン「ええ………12年前、念の為採っておいた先生のDNAがありましてね、それを利用してDG細胞でコピー体を作っているのですよ、
そう!アルティメット三大理論《自己再生》でね!」
コピー不敗「………………………」
意識の無い不完全体のコピー不敗
ウォン「ただ莫大なエネルギーを必要としたのがネックですがね」
エイチ「ほな、最近の停電って?」
ウォン「当・た・り〜でもね、ほぼ完成とはいえ、まだ実験段階………あ、そうだ、何なら試しに手合わせをしてみますか?」
DG化した顔面を操作するウォン
デビルガンダムのコクピットから切り離されるコピー不敗
コピー不敗「!!」
軽々と一同の前に着地する
ドモンたち「………」
コピー不敗と対峙するドモンたち
ジュニア「ち………父上………」
涙を浮かべるジュニア
思わずコピー不敗に歩み寄る
ドモン「待て………」
ジュニアを止めるドモン
ジュニア「?」
ドモン「師匠の手筋は俺が一番知っている………だから本物かどうかは!!」
瞬間コピー不敗に拳を振るうドモン
ドモン「!?!」
だが、ドモンの拳より先に、コピー不敗の拳がドモンに襲って来る
コピー不敗「………………」
ドモン「………!………」
よろめき退くドモン
ジュニア「み、見えなかった………」
二人のレベルの高さに驚くジュニア
ジュニア「これが流派最高域の戦い??一瞬の上を行く一瞬………」
ウォン「これはあっけない………ですが」
膝を突くコピー不敗
コピー不敗「………」
ウォン「どうやら電池切れのようです………何せまだまだ不完全で、一度に動くには限界がありすぎる」
ウォンのスイッチ操作でコクピットへ戻るコピー不敗
コピー不敗「………」
ウォン「ですが、アルティメット三大理論の第二《自己増殖》で無数の不敗軍団となり、第三の《自己進化》で更なる高みに腕を上げ、《完全不敗》と化して世界に討って出る!!そうすれば私の覇権は復活し、全ての国の宇宙コロニーをも統一した《夢のウォンウォンランド》を作り上げる事ができるのです!!」
声高らかに宣言するするウォン
思わずウォンに殴りかかろうとするジュニア
ジュニア「こいつ!!」
ドモン「やめろジュニア!」
ジュニアを抑えるドモン
ドモン「ウォンの狙いはお前だ!お前を使って珠の秘密とその力を手に入れようと!」
ウォン「残念!それでは不正解!!全くの逆ですよ!!」
一同「何?!」
ウォンの言葉に驚く一同
ウォン「私はジュニア君を黙らせたいのです!第四の理論?そんなものは要りません!!いや、あっては困るのです!!」
ドモン「それはどういう事だ?!」
ウォン「わかりませんか?」
皮肉に問いかけるウォン
ウォン「理論は今の三つで充分、三つで充分ですよ、ところがもし本当に東方先生の言った通り、第四の最強の理論があるとしたら、私のDGは敗北してしまうではありませんか?………だから………」
不気味に笑うウォン
ウォン「四つめの秘密は永遠にこの世から消えていただくのです………ジュニア君の口を封じてね………」
ジュニア「くっ………!!」
たじろぐジュニア
エイチ「何言うねん!!こいつは珠の秘密も何も知らんねんで!!」
そのジュニアの盾になるように出るエイチ
ウォン「なおさら結構!!さあ、ドモン・カッシュ!!その小僧を始末しなさい!!それが東方の珠を守る唯一の方法です!あなたの大切な師匠と父親の遺した珠を!!」
ドモン「!!!」
ウォンに迫られ、たじろぐドモン
苦悶を浮かべジュニアを見る
ドモン「聞いての通りだ………東方の珠は俺にとっても父さんの形見だ………だからウォンに潰させる訳にはいかない………たとえお前を倒しても!」
ジュニアに迫るドモン
ドモン「………………」
ジュニア「………………」
分が悪いのを承知で対するジュニア
ドモン「来い………先に3手譲ってやろう………その中の1手でも俺を打てればお前の勝ちだ………」
ジュニア「言ったな!!」
型を構え直すジュニア
ドモン「うん??」
ジュニアの構えに違和感を覚えるドモン
演舞に入るジュニア
ジュニア「まずは1手!!!」
ドモンに打ちかかるジュニア
しかし、ドモンが軽く受け流し、拳は空を切る
ジュニア「!!!!!」
悔しがるジュニア
そのジュニアの攻撃を見直すドモン
ドモン「………今のは南西の西………」
ジュニア「ならば2手め!!」
再び演舞の流れから掌打を繰り出す
ドモン「続きが南南東の63……??」
同じく軽くかわすドモン
エイチ「あかんかぁ〜〜〜!!」
焦り見るエイチ
ドモン「………」
更にジュニアの手に首を傾げるドモン
ジュニア「最後の3手!!この一打でお前を倒す!!」
今までにない力で打ちかかるジュニア
ドモン「ふざけるな!!お前は本気でやってるのか?!」
かわしつつ、ジュニアを軽く打ち飛ばすドモン
ジュニア「何ぃ!!」
続けて掌打を繰り出すジュニア
軽く避け続けるドモン
ドモンM「何だ………この連打は?攻撃にも守りにもなってない!!全くの意味の無い型だ!!」
ジュニアの攻撃を避け続けるドモン
ドモンM「だが、一手一手は確かに流派・東方不敗の掌打!!」
更に避けるドモン
ドモンM「なのに!?!」
ドモンの強撃がジュニアに向かって打ち込まれる
ジュニア「!!!」
受け止めるジュニア
鈍い音を立て、押し合うドモンの拳とジュニアの受け手
ドモン「何だ!?この型は!俺は知らないぞ!!」
ジュニア「《輝珠掌上》!!父上直伝の技だ!!」
ドモンに向かって構えを取るジュニア
ドモン「嘘をつけ!!こんな構えは流派に無い!!」
言い放つと同時に何かに気づくドモン
ドモン「………いや待て!………輝珠掌上………まさか????」
ジュニア「気をそらすなぁぁあああああああああ!!!!!!!!!」
ジュニアの猛打がドモンを襲う
ドモン「そうか!!この型は!!!わかったぞ!!!」
瞬間的にジュニアを打ち返すドモン
ジュニア「ぐっ!!!!!!」
跳ね飛び肩を脱臼するジュニア
ウォン「いいぞ!!そのまま沈めろ!!」
ドモン「うるさい!!お前は黙っていろ!!!」
ジュニアに迫るドモン
ジュニア「………………」
ドモン「いいか………俺たちの流派の一手一手には音がある………」
ジュニア「??」
ドモン「そして、その音で打ち合う事に意味がある!!」
ジュニア「何のことだ!!」
ドモン「わからなければ思い出させてやる!!」
襲い掛かるドモン
エイチ「ええかげんにせぇぇやぁぁああ!!!」
ドモンの腕にしがみつくエイチ
ドモン「離れろ!!」
エイチ「うるさいわ!!」
ジュニアを庇うエイチ
ドモン「これは同門の話だ!!忍者のお前が口を出すことではない!!だが、武闘家としてなら!!」
エイチに拳を向けるドモン
エイチ「や、やんのんか?!おらぁ!!ウチに手あげたら家庭内暴力やておかあはんに言うたるど!!知らんど!!怖いど!!」
ドモン「………ふん………」
軽くエイチをどけるドモン
ジュニア「!!!」
ドモン「………………」
対峙して睨み合う二人
ウォン「さぁ!やりたまえ!!」
ドモンに指示するウォン
ドモン「!!」
ジュニア「!!」
意を決して構え合う二人
その瞬間、
エイチ「!!」
エイチが煙玉を破裂させる
一同「!!!!!!」
立ち上る白煙に視界を奪われる一同
ウォン「な、何だこれは!!何も見えないぞ!!」
慌てるウォン
エイチ「こっちや!!今のうちに逃げるで!!」
ジュニアの腕を取るエイチ
しかし、それはドモンの腕であった
ドモン&エイチ「ぇ?」
??となる二人
エイチ「ふん!!」
すぐさま手をふり離し、煙の中に隠れるエイチ
ドモン「待て!エイチ!!」
追いかけようとするドモン
ウォン「いや、かまうな!!どうせギアナのバリアで外へは出れない!!」
咳をしつつ煙を振り払うウォン
ウォン「それに手は打ってある………」
不敵に笑うウォン
続く……