三侠新傳
〜東方のたま

ギアナ高地編その4

デビルガンダムのコクピットハッチの中で目覚める東方不敗

東方不敗「………!!!………」

その姿に唖然愕然となるドモンとジュニア

ドモン「し、師匠ぉぉぉおおおおお!!」
ジュニア「父上ぇぇぇえええええええ!!」
ウォン「ふふん………」

二人の様子を鼻で笑うウォン

東方不敗「ふん!!」

軽い気合いと共に飛び出る東方不敗

ウォン「さあ、先生!思う存分この二人をやっつけてください!!そして東方の珠を私の手に!!!」
東方不敗「あい分かったぁ!!」

気合いと共に軽く飛び上がる東方不敗

東方不敗「ワシが目を覚ましたからには覚悟せぇぇいいいいい!!!!!!!!」

着地と共に拳を繰り出す東方不敗

ウォン「その通りだ!!東方ジュニアにドモン・カッシュゥウウウ!!!!!!」

勝ち誇るウォン

ウォン「ウ?!」

だが、東方不敗が着地したのはウォンの眼前であり、その拳はウォンの顔面に向けられている

ウォン「何故ぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええ??????!!!!!!」
ドモン「師匠!!!」
ジュニア「父上ぇええ!!!!」

東方不敗の思わぬ転身に驚く二人

東方不敗「ドモンにジュニアよ!!!
東方の珠!!よくぞ見つけた!!!
褒めてくれるわぁあああああああ!!!!」
ドモン「弟子ドモン!」
ジュニア「息子ジュニア!!」
二人「お久しゅうございますぅぅうう!!!!!」

座して叩頭する二人

東方不敗「再び会えた事、満悦至極!!」

若干の笑みを浮かべる東方不敗

ドモン&ジュニア「ははぁあ!!!!!」

更に叩頭する二人

ウォン「ど………どうして………??コピーの先生は私の指示が絶対なはず!」

腰を抜かして怯えるウォン

東方不敗「分からんのかぁあ!!!!!!!!」
ウォン「は………はいいい!!!」
東方不敗「このバカ者めぇえ!!!!!
だからお前はアホなのだぁぁぁあああああ!!!!!!!!」
ウォン「ひぃぃぃいいいいい!!!!!!」

凄まじい声圧で一喝されるウォン

東方不敗「ワシにどのような細工をしたかは知らんが、たとえコピーであっても貴様の命令など、聞く耳持たんわぁぁあああ!!!!!」
ウォン「そんなバカなぁぁああ??????」

逃げようとするウォン

ジュニア「逃すか!!」

ウォンの前に先回りするジュニア
だが、ウォンは一転して悪辣な笑みを浮かべる

ウォン「ふん!!かかったな!!」
ジュニア「何?」

見ると足元のデビルガンダムから触手が伸び、ジュニアに絡みつく

ジュニア「こ、これは?!」
ウォン「こうなれば、その珠に隠された三大理論を超える力で、貴様らを倒してやるのみぃぃいいいいいいいいい!!!!!!!!!」

ジュニアの全身を取り込むデビルガンダムの触手
その先端が東方の珠をも包み込みだす

ジュニア「ふん………俺の珠に触るな………」
ウォン「何??」
ジュニア「大事な俺の珠に触るなと言ったんだぁあああああ!!!!!」
ウォン「そうはいきませんよぉぉおおおお!!!!!」

余裕のウォン
その手が珠に触れる
瞬間、珠が分離し広がりつつ、リングを形作っていく

ウォン「何だ??」

気づくと珠を触っている手が輝き、輝きと同化し始める

ウォン「わ、わ、わわわわわわわ??????」

手の先から緑の芽が現れ、そのまま大きく成長し、ウォンの全身を緑の葉が包みだす

ウォン「緑が!!緑の木々が!!!な、何だこれは??!!私の体が緑の木々になってしまう?????」

驚き慌てるウォン

ウォン「お前たち!!私に何をしたぁ?!!」
ドモン「わからないのか?」
ウォン「わからないから聞いてるんだぁ!!!」
東方不敗「ならばその目で確かめろぉぉおおお!!!!!!!」

構える東方不敗

東方不敗「打つぞ!!ドモン!!ジュニア!!」
二人「はいぃぃいいいいい!!!!」

構えるゴッド弐とシャイニング
その手に降り立つドモンとジュニア
更にシャイニングの腕に装甲されたマスターガンダムの腕が分離し、その手の甲に降り立つ東方不敗

ジュニア&ドモン「俺のこの手が真っ赤に燃える!!」
東方不敗「ワシのこの手も光って唸る!!」

同時に東方不敗からマスターガンダムの姿のエネルギー体が立ち上がる

3人「世界を救えと轟き叫ぶぅぅぅうううううううううううう!!!!!!!!!」

並び立つシャイニング・ゴッド弐・マスターの三体のガンダム

3人「東方不敗が終極奥義!!!」

ガンダムの手の上で構えるジュニア・東方不敗・ドモンの3人

3人「明鏡止水石破天驚!
進化増殖再生、拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳!!!!!!!」

全身を金色に輝かせ、
同時にウォンに拳を打ち込む3人と3体のガンダム

その瞬間、デビルガンダムに亀裂が入り、中からDGダストエネルギーが洪水となって噴き流れる

ウォン「あああああ!!!!!」

その情景に愕然となるウォン

溢れるエネルギー
そのエネルギーに包まれるデスアーミーたち
その全身がウォンと同じく緑の木々へと変化しだす
更にデビルガンダムを中心にエネルギーが広がり
ギアナを中心に、
ネオアメリカの朽ち果てたボクシング会場に
ネオフランスの古びた墓地の一角に
ネオチャイナの無人と化した古寺
ネオロシアの監獄
雨上がりのネオトルコ
霧につつまれたネオイングランド
美しい太陽の輝きを浴びるネオメキシコへと
緑化現象が世界中へと広がっていく
その中には、新宿で緑に包まれていくミケロの墓もある

Gファイターたち「おぉ………美しい………」
グラハム「これは失われた自然溢れる世界………」
ハンス「本当だ………懐かしい………懐かしい世界だ………」
カラト「………これがカッシュ博士とマスター・アジアの………」

喜び見るカラトたち

エイチ「へぇ〜〜〜、たいしたもんや!でかしたで、ジュニア!おとうはん!!」

感心の笑顔で見るエイチ

×      ×      ×

更に世界に広がる緑化エネルギーがネオホンコンへと到達し、
東方不敗の詩が刻まれた庁舎ビルへ直撃する
そこから緑が広がり樹木へと姿を変えていく
そして

東方不敗は遥かに滅び………
三界流転侠気侠勇
されど世界は移ろう事なく
王者の風も未だに吹かず
大地も滅びの歩みを止めず
外れること無く、迷うこと無く

の文字は緑に包まれ

《東方不敗》の4文字だけを残し、
ネオホンコンに東方不敗の巨大な不滅の樹木が出来上がる

×      ×      ×

東方不敗「これにて喜色満面、大慶至極!!!」

満足げな東方不敗

ウォン「ああ………何故………こんな事に………」

意識が遠のくウォン

ウォンの前に集まり優しく語るドモンたち

東方不敗「教えてやろう………ウォン………輝珠掌上の暗符にはまだ先があったのだ」
ドモン「それこそが父さんの遺したアルティメット第四理論………」
ジュニア「地上世界の自己再生!自己増殖!そして自己進化を一つにまとめる《究極理論》!!」
東方不敗「その力は人類にどれほど踏み躙られようとも、負ける事なく、滅びる事もなく」
ドモン「再生し、増殖し、進化する事で」
ジュニア「この地球を完全不滅の自然で包み込む事ができる………」
ドモン「そして、その起動に必要だったのが、お前がこのギアナで掘り返し貯蔵していた大量のDGダストエネルギーだったんだ」

×      ×      ×

〜回想〜
DG事変が終わった直後
病で昏睡状態に入る直前のカッシュ博士
寄り添うドモン

ドモン(現在)「父さんの病状が進行する中、俺が教えられたのはその事だった………皮肉にもエネルギーはDGダストと名を変える事になってしまったけどな…………」

意識を失うカッシュ博士
その手を握り、東方不敗とカッシュ博士、二人の夢を叶える事を誓うドモン

×      ×      ×

ウォン「………それで………私の体も………」
ドモン「俺はな、お前をガードしていたんじゃないんだ………このギアナに集まったエネルギーを守っていたんだ………いつこの日が来てもいいように」

×      ×      ×

〜フラッシュ回想〜
冒頭でウォンに襲い掛かるスパイを倒すドモン

×      ×      ×

ウォン「なるほどね………参った…降参だ………」

薄れる意識の中で理解しようとするウォン

ウォン「………」

眠りにつくウォン

3人「………………」

ウォンを看取るドモンたち

朝日がギアナに昇り始める

東方不敗「美しいな………」
ドモン「はい………美しゅうございます………」

×      ×      ×

昏睡状態のカッシュ博士
かすかに微笑んでいるように見える

×      ×      ×

ドモン「やりましたよ、父さん………見てください!この世界を!!」

美しい緑に包まれた世界を見つめるドモン
その横に並び立つ東方不敗

東方不敗「そして息子よ………良く目に焼き付けておけ………これが父とカッシュ博士が東方の珠に込めた《想い》だ………」
ジュニア「はい!」

美しい情景に見惚れるドモンとジュニア

東方不敗「さて………そろそろだな………」

見ると東方不敗の体が崩れるように消え始めている

ジュニア「父上!!」
ドモン「師匠!!」

悲しげに不敗を見る二人

東方不敗「不完全なコピーだ………だが充分である!!」

二度目の死を悟り受け入れる東方不敗

ジュニア「そんな!!せっかく会えたのに!!!」
東方不敗「いや………これからはドモンがいる………不肖の弟子だが、お前を理解してくれる漢だ………これまでも…これからも………」
ジュニア「………………」

目を潤ませるジュニア

東方不敗「二人とも息災でな………」

微笑む不敗
全てを受け入れるドモン

ドモン「ならば………!!」
ジュニア「流派東方不敗は………」
東方不敗「王者の風よ………」
ドモン「全新系裂!」
ジュニア「天破侠乱!」

3つの拳を合わせ、覚悟を決める3人

3人「見よ!!
東方は赤く燃えているぅぅぅぅうううううう!!!!!!!!!」

微笑み崩れ消える東方不敗
そして
ジュニアの手に東方の珠が握られている

その手が開きつつ、カッシュ博士の手に移り変わり回想へ

●エピローグ 〜回想〜

DG事変の集結の直後、病の急な進行により昏睡状態へと入るカッシュ博士
寄り添うドモンに最後の力で過去を語り伝える

カッシュ「あれは第12回大会が終わりしばらくしての事だった………」

×      ×      ×

カッシュ博士に東方の珠を手渡している東方不敗
だが、その姿はやつれて意気が失われている

×      ×      ×

カッシュ「彼は自分の犯した罪を悔い、償うためにアルティメット理論の使用を願いに来たんだ………自分の手で汚してしまった地球の自然を取り返すために………」

×      ×      ×

自分が破壊した世界を前に愕然としている東方不敗

×      ×      ×

カッシュ「だが、アルティメット理論は未完成だった………おそらくは後3年はかかるだろう………そこで私は一つの約束をした………それは、キョウジにも知らせていなかった究極の最終理論………その第四の力を完成させる事だった………」

×      ×      ×

喜びに手を取り合うカッシュ博士と東方不敗

カッシュ「なぜなら!私たちの理想は一つ!!」

二人の手の中に完成した東方の珠が輝いている

カッシュ&東方不敗「それが地球の再生!!」

●エピローグ 〜現在〜

緑溢れるギアナの大地
その中を歩き進むドモンとジュニア

ドモン「………そして父さんはマスターガンダムを作り上げ、第四の理論を封じた東方の珠をその手に隠し師匠に渡した………」
ジュニア「その後で父上は、輝珠掌上を仕掛け………」
ドモン「俺にキング・オブ・ハートを継承した………」

淡く輝く紋章を見るドモン

ドモン「だが、東方の珠に仕組まれた究極再生を動かすにはアルティメットパワーを必要とし、その蓄積には更に1年を必要としていた………」

ジュニアの手の上で輝く東方の珠

ドモン「その中で父さんたちはウルベたちの謀略に巻き込まれ………そのパワーを生み出すアルティメットガンダムは兄さんと共に地上へと堕ちた………」
ジュニア「不幸はその1年後………偶然にも起動を再開したアルティメットガンダムと出会い………父上は………」

×      ×      ×

デビルガンダムを希望の眼差しで見つめる東方不敗

東方不敗「これだ………これがあれば私の理想は叶う………!!
大自然の復活!!
それをこのガンダムが可能にしてくれる!!」

×      ×      ×

ドモン「四つ目の理論を動かすためには、ガンダムファイトはいい舞台だった………そこで1年をかけてガンダムたちを倒し、相手を吸収する事でエネルギーを蓄積し、東方の珠の第4理論を起動させようとしたんだ」
ジュニア「でも、新宿でドモン師兄と出会い………」
ドモン「最悪の事態を考えマスターガンダムの手に珠を残したまま、ギアナに………」
ジュニア「もしもの場合があっても………」
ドモン「ジュニア、お前がいると………」
ジュニア「うん………」

×      ×      ×

幼いジュニアに輝珠掌上を教える東方不敗

×      ×      ×

ジュニア「でも父上はどうして最初からはっきり言い残してくれなかったんだろう?」
ドモン「さあな………でもお前はその時4歳だった………きっと言われても何のことかわからなかっただろう?だから師匠はお前の記憶の力を信じて、第四の理論が本当に必要になった時に思い出してくれればいい………そう思ったんだろうな………」
ジュニア「そっか………」
ドモン「………俺もな………レインには教えなかった………これ以上あいつを巻き込みたくなかったんだ………もし知ったら俺と一緒に珠を探すって言いかねないからな………」
ジュニア「それで実家に帰ったんだ?」
ドモン「そういう事だ………ってそれは〜〜〜」

言葉を詰まらせ赤くなるドモン

ドモン「いや!それでいい!!何故ならこの世界が俺たちの流派東方不敗の大切な家なんだ!」
ジュニア「!!」

ドモンの言葉に力強く頷くジュニア

×      ×      ×

洞窟の入り口
東方不敗の碑のある地下空洞へ下っていく二人
ふとエイチが一緒にいない事に気づくジュニア

ジュニア「あれ?エイチは??」
ドモン「あぁ、ここは流派の聖地………一応気を使ってるんだろ?」

×      ×      ×

入り口から少し離れたところで腰掛けているエイチ

エイチ「〜〜〜♪〜〜〜」

×      ×      ×

ジュニア「らしくね〜〜〜」
ドモン「はは、まったくだ」

苦笑いの二人

ジュニア「それにしても、よりによってガンダムファイトだなんて冷や冷やしたよ」
ドモン「ふふ、あれが一番ウォンを出し抜く手段だと思ってな………それに俺が自分の愛機のシャイニングガンダムを本気で殴る訳ないだろ?わからなかったか?」
ジュニア「え〜〜〜?結構痛かったぞ〜〜〜!!!」
ドモン「それはお前が強かったから、ついな?」
ジュニア「つい?つい〜〜〜?」

ドモンを疑いの目で見るジュニア

ジュニア「と、そうだ!!一つわからないのが父上の幽霊騒ぎ!あれは一体??」

ドモンの顔を覗き込むように見るジュニア

ドモン「たぶん………」

碑のある空間に出る二人

碑の周りには花が咲き誇っている

ジュニア「うわぁ………記憶の通りだ………」

見惚れるジュニア

ドモン「さあ、お前の珠で確かめるといい」

碑の上を示すドモン

ジュニア「???」

よくわからないまま珠を碑の上に置くジュニア

ジュニア「これが幽霊とどう??」

その瞬間、珠の中心が輝き始める

ジュニア「え??」

同時に周囲の壁に、演舞をする東方不敗の幽霊が無数に現れる

ジュニア「これは??」

珠を覗き込み全てを理解するジュニア

珠は何十にも重なる多層彫になっていて、それぞれの層に何人もの流派の型を取る人物が彫り込まれている。
更に中央のレンズが光を取り入れ、輝きを放ち、彫り込まれた型を映し出す。そしてそのいくつもの層が回転することで、さまざまな型と演舞が動画のように無限に作り出されていき、壁面に描かれた演舞の型と手を合わせる、言わば周囲の空間をキャンバスにした回り灯籠の構造になっている。

ジュニア「珠にこんな仕掛けが………」
ドモン「お前、俺と戦う前に一度知らずのうちに、珠の上で輝珠掌上をやらなかったか?」
ジュニア「そういえば………」

×      ×      ×

〜回想〜
マスターガンダムの手の上で演舞するジュニア
その足元に残っていたエネルギーが淡く輝いている
手の中の東方の珠のレンズに光が当たる

×      ×      ×

ドモン「きっとその時に、珠のレンズに光が入って、色々な所に映し出されたんだろうな」
ジュニア「うん………」

改めて投影された演舞を見つめ、近づき触ってみる

ジュニア「これが流派の奥義………すごい………こんなに色んな型があるなんて………」
ドモン「あぁ、これに輝珠掌上を加えるといい………お前の手でな」
ジュニア「………うん………父上の最後の奥義だからね………」

東方不敗の演舞に同化するように重なるジュニア

ドモンも加わり、3人で演舞を舞う

ドモン「だがな………これを最後に流派を閉じる事になる」
ジュニア「うん………」
ドモン「俺に対してもそうだったが、師匠は弟子に掌門を継がせたくなかった………」

自分も悟るように語るドモン

ドモン「独狐求敗師伯に聞いた流派の宿命………先代掌門は新しい掌門によって命を落とす………師匠はそんな因習を断ち切りたかった………」
ジュニア「だからドモン師兄にも俺にも、掌門は継がせなかった………」
ドモン「そうだ………それが師匠の俺たちへ遺した贈り物だった………」
ジュニア「うん………」
ドモン「ところでその師兄ってのはやめないか?」
ジュニア「でも俺たち二人とも師匠は父上だったんだから〜〜〜この場合は兄弟弟子で師兄になるんじゃ??」
ドモン「いや、流派は無くなったんだ、拝師はもういい」
ジュニア「そうなのか??」
ドモン「だから俺たちは同格だ、そして新しい門派を作ろう!」
ジュニア「新しい門派?!」
ドモン「そうだ!!師匠と俺とジュニアの3人で作る最強の流派!!」
ジュニア「名は?!」

力強く頷き合うジュニアとドモン

二人「新一派!【東方三侠】!!」

二人の声がギアナの大地に静かに響く

同時に
東方不敗
の文字だけを残していたネオホンコンの不滅の樹木の中から
庁舎が崩れ落ち、
東方不敗は遥かに滅び………
三界流転 侠気侠勇
されど世界は移ろう事なく
王者の風も未だに吹かず
大地も滅びの歩みを止めず
外れること無く、迷うこと無く
と書かれていた文字から

東方●●●●●●●●●●●
三●●●侠●●●
●●●●●●●●●●●●
王者の風●●●●●●●
●●●●●●●●●●●●
●●●●●●●●●●●●●●

が残り
更に新たな一行が書き加えられ
【東方三侠 王者の風
 血染東方一片紅】
の文字だけが不滅の樹木に輝き残る

●エピローグ3

洞窟から出てくるドモンとジュニア
それを見つけてエイチが駆け寄ってくる

エイチ「二人とも遅い〜〜〜!!何やっとったんや??」
ジュニア「これからも修行を続けるって事かな??」
エイチ「ふぅ〜〜〜ん、なんかおもろな〜〜〜どおでもええわ〜〜〜」

不満げに二人にまとわりつくエイチ
ふと思い出す

エイチ「せやせや、あの時二人の演舞がシンクロしとったけど、暗符ってので何喋っとったん?」
ジュニア「ああ、あれはな」

声を揃えるジュニアとドモン

ジュニア「手を出すな!先にウォンをどつくのはこの俺だ!!」
ドモン「手を出すな!先にウォンをどつくのはこの俺だ!!」

ニヤリと笑い合う二人

エイチ「ホンマ、やってられんわ〜〜〜」

呆れるエイチ

ジュニア「それよりさ、俺さ思い出したんだ!」
エイチ「あ、そうか!!アレやな?!」

悪ガキのように見合わせる二人

ドモン「???」

何が始まるのかわからないドモン
すると、それぞれ両手を開く二人

エイチ「お前が好きだぁ〜〜〜!!」
ジュニア「お前が欲しい〜〜〜!!!!」
ドモン「え?」

突然の自分の言葉に焦るドモン
全身が隙だらけになる
その瞬間、二人の拳がドモンの土手っ腹に突き刺さる

二人「石破!」
ドモン「うげ!!」
二人「ラブラブ天驚拳やぁ〜〜〜!!!!!」
ドモン「うげげげ………」

腹を抱えて苦悶に崩れるドモン

二人「やったぁ〜〜〜!!ドモン・カッシュをドツいたったぁ〜〜〜!!!
ひゃっほぉ〜〜〜ぃ!!ひゃっほぉ〜〜〜ぃ!!」

大喜びの二人

そこへ激震が響きCDGCコロニーが上昇を始める

エイチ「あ、コロニー直ったんや、カラトのおっちゃんにバイト代もらいに行こ!!」
ジュニアの手を引き、コロニーへ走るエイチ
エイチ「あんたの分も取り立てたるわ!!」
ジュニア「ホントか!!」
エイチ「まかしときぃ!!」

笑いながら走りゆく二人
その二人を微笑ましく見るドモン

ドモン「まったく………」

と、そこへCDGCコロニーから世界中へのアナウンスが発信される

アナウンス「全世界に報告!!
本日DGダストは世界より完全に消滅!!」

エイチ「うん??この声は???」
聞き覚えのある声に立ち止まり耳を傾ける

アナウンス「繰り返す!!
本日DGダストは世界より完全に消滅!!
そのため、
CDGCは解体され、新しくガンダムファイト国際委員会を組織し、
予てからの予告通り、
ガンダムファイトの再開をここに宣言するものである!!」

エイチ「ちょっと待って………この声??」
ドモン「もしかして………??」

声の主に気づき始める二人

レイン「今度は宇宙がリングよ!!
以上!ガンダムファイト国際実行委員長、レイン・ミカムラ!!」

ジュニア「え??」
エイチ「今………言うたな………」

一瞬耳を疑うエイチ

エイチ「ミカムラって言うたなぁ!」
ジュニア「うん!ミカムラだ!!レイン・カッシュじゃなくって、レイン・ミカムラだ!!!」

頷き合う二人

二人「って事は〜〜〜???」
やったぁ〜〜〜!離婚だ〜〜〜離婚だぁ〜〜〜!!」

手を叩いてドモンの周りをグルグル回る大喜びの二人

ドモン「り………こ………ん??」

??と口を開き座り込むドモン

二人「そう!
り・こ・ん!!
り・こ・ん!!
り・こ・ん!!
り・こ・ん!!!!!」

大喜びのジュニアとエイチ

ドモン「あかぁぁああん〜〜〜インケツや〜〜〜!!!!!!!」

この世の終わりの地獄に落ちたようなドモン。

その姿を見て、声高らかに宣言するストーカー

ストーカー「どうやら、ここに世界の覇権を舞台にした
宇宙最大の夫婦喧嘩が始まるようです!!
それでは皆さん、
次回、新ガンダムファイト第一回大会へ、
レディィイイイイイ・ゴォォォォオオオオオオオ!!!!!!!!!!」

 

END